就活準備をしていると、ちょくちょく見かける『就活の教科書』。一応このブログも就活記事を載せているので、競合として認識しています(笑)
記事数が多く、現役大学生が携わっているメディアです。そのため信頼できそうですが、関連語として「怪しい」「炎上」なんてキーワードも出てきます。
これはなんだか気になりますね。そこで、運営会社や評判などを調べて、活用方法を考えてみました。
ちなみに結論として、以下のような使い方ができるかなと思いました。
- YouTubeで概要をつかむ
- LINEの「通過したES一覧」を活用
- Webライターになる
Webの情報収集のセオリーは、複数の情報源を見ての良いとこどりだと思います。就活の教科書はYouTubeやLINEのコンテンツが強そうだったので、そこが活用できそうです。
就活の教科書とは?怪しい?
出典:就活の教科書
就活メディア『就活の教科書』は、株式会社Synergy Careerが運営する就活メディアです。Synergy Career社の概要は以下の通りです。
会社名 | 株式会社Synergy Career |
代表者 | 岡本恵典 |
設立時期 | 2020年6月5日 |
所在地 | 大阪府大阪市 北区梅田2丁目5-13 桜橋第一ビル304号 |
事業内容 | 就活メディアの運営動画 コンテンツ作成 Webコンサルタント |
URL | ▼運営企業 https://synergy-career.co.jp/ ▼就活の教科書 https://reashu.com/ |
基本的な会社情報は公開されており、その点では比較的安心感があります。以降では、会社の活動内容やメディアの特徴について見ていきます。
株式会社Synergy Careerとは
株式会社Synergy Careerは「就活生に寄り添った情報を届ける」をミッションとして、『就活の教科書』の運営などを行っています。
もともと就活の教科書は、代表の岡本氏が個人で運営していました。その法人化にあたって立ち上げられたのがSynergy Careerであり、Synergy Career社は今でも就活事業をメインで行っているというわけですね。
代表者の岡本恵典氏の経歴
Synergy Careerの代表、岡本恵典(おかもとけいすけ)氏の経歴も公開されています。
岡本氏の経歴は以下の通りです。
- 大阪府立大学大学院 卒業(2015卒)
- ITベンチャー企業に9か月勤務
- フリーランスとして独立
- Synergy Career社の立ち上げ
岡本氏は就活生時代、錯綜する情報に惑わされて何社も落ち続け、さらに新卒入社の会社からは9カ月で退職しています。自身が経験した苦労をもとに就活の教科書の運営を始めたとのことです。
ところで、岡本氏は大阪府立大学大学院の理学系研究科を卒業しています。理系にはあまり詳しくありませんが、就職先は教授から紹介してもらえそうな感じもします。その辺にも、何かエピソードが隠れていそうです。
違和感を持って文系就職したのかもしれませんね。
所在地
株式会社Syergy Careerの所在地は、大阪の梅田近く(阪神梅田駅から徒歩5分)です。
ちなみに僕も大阪にある大学に通ってたのですが、梅田はJR大阪駅や付近のオフィス街などを含むエリアです。大学生の遊び場としてもよく使われている場所です。
出典:Google マップ
出典:Google ストリートビュー
Syergy Career社がある桜橋第一ビルは、バーチャルオフィスです。
バーチャルオフィスは、オフィス機能を提供してくれる仮想的な事務所です。料金を払えば、法人登記に利用できる住所などを借りられます。
2023年4月時点では、桜橋第一ビルの料金は月額5,280円(税込み)からです。毎月5,000円程度で、良いイメージのある梅田にオフィスを構えられます。
バーチャルオフィスは怪しい?
バーチャルオフィスの利用は違法ではありません。
違法だったらサービス提供者のほうも危ないですからね
働き方が変化している今日では、活用するのが合理的だとする声もあります。
ただ、「入居してない場所を住所として提示するなんて怪しい」との声も見られます。また、バーチャルオフィス事業者の中には、違法性のあることをしている事業者もぼちぼちいるみたいです。
上記を踏まえて、バーチャルオフィスの利用は合理的ですが、怪しまれる可能性があるのはデメリット、といった感じでしょうか。
メディア規模
就活の教科書はWebサイトの他、SNSでも発信しています。どれくらいの規模か見てみましょう(2023年4月1日時点)。
Webサイト
Webの『就活の教科書』は、「累計5,000万PVの就活メディア」として紹介されています。一応、「similarweb」という無料サービスで調べてみたいと思います。
similarwebの数値は、実態の数倍や数分の一になることもあります。あくまで参考値!
就活の教科書「https://reashu.com/」を調べたところ、以下の結果が出ました。
出典:similarweb
画像の数値の中から参考になりそうなものをピックアップしてみます。以下はその結果です。
カテゴリーランク | 56位 |
合計訪問数 | 130万回 |
PV数/訪問 | 1.54 |
カテゴリーランクとは、公開されている記事をカテゴリー分けし、カテゴリー内で順位付けした結果です。就活の教科書は「仕事とキャリア(日本)」といったカテゴリで56位です。
合計訪問数は2023年2月の月間訪問者数です。これに「PV数/訪問」をかけると2月のPV数が算出でき、その値は「130万 × 1.54 = 200万」です。
参考として、他の就活メディアを調べてみました。まずはリクナビ「https://job.rikunabi.com/」です。
出典:similarweb
カテゴリーランク | 14位 |
合計訪問数 | 420万回 |
PV数/訪問 | 3.32 |
続いて、キャリアパーク「https://careerpark.jp/」です。
出典:similarweb
カテゴリーランク | 115位 |
合計訪問数 | 45.3万回 |
PV数/訪問 | 2.57 |
similarwebの数値が正しいかどうかはともかくとして、就活の教科書は規模の大きいメディアだと言えると思います。
LINE
出典:LINE
LINEの友達数は、およそ14.6万人です。
ちなみにLINEに関しては、「LINE 怪しい」「LINE 口コミ」などのキーワードがグーグルで自動表示されました。そこで僕も実際にLINEに登録して、どんな感じか確認してみました。(後述しています。)
YouTube
YouTubeのチャンネル登録者数は、およそ1.5万人です。ちなみにYouTubeの更新は、2023年4月現在は停止しています。
Twitterのフォロワー数は、およそ1万人です。Twitterの更新も、2023年4月現在は停止しています。
SNSはあまり詳しくないのですが、各フォロワー数は少なくはない気がします。
Webメディアの特徴
メインの媒体と思われる、Webメディアの特徴を挙げてみたいと思います。
文体は柔らかめ、装飾は多め
Webメディアの特徴としてまず感じるのは、文章の柔らかさです。現役大学生が書いているので、学生に伝わりやすい表現になってるのかなと思います。
あと、すごく見やすさにこだわっていると思います。装飾が多いです。この辺は好みが分かれそうな部分ですが、スマホでちょろちょろ確認する分には、これくらいが見やすいかもしれません。
最近の記事から大学受験の記事も
Webメディアには「ノマドワーカー」などの、最近めな記事もあります。学生がネタ探しをしてるんでしょうか。それなら学生に刺さるネタ探しが上手そうです。
あとは大学受験系の記事もあります。就活生が昔を振り返って、暇つぶしに読むんでしょうか。あるいはSEO狙いでしょうかね?
自己分析系が人気?
ちなみにsimilarwebで見たところ、自己分析系の記事が人気らしいです。性格診断テスト「16Personalities」の結果に関する記事がよく読まれているようです。
たしかにそういった診断系は面白いので、僕もいくつか試してました。
診断コンテンツは娯楽的な要素も強いです。もし使うなら上手く使う必要があります。(自身の反省を込めて、、)
結構お金かかってる?
就活の教科書の記事はその辺の個人ブログとか、量優先のメディアよりはお金がかかってそうです。
まず装飾が多いので、その辺を整えるのに時間がかかるかなと思います。そして、学生インターンに支払う時給が1,000円~1,500円なので、制作費はほどほどにはかかってそうです。
ちょっと変な視点ですが、報酬があまりに低いと記事質が落ちると考えられます。そのため、どれだけ報酬を出せるかという観点は、ある程度メディアの性質を考えるのに役に立つかなと思います。
就活の教科書のライターにチャレンジするのは、すごくいいと思います。
就活の教科書の良い評判・口コミ
就活の教科書に関する、良い評判・口コミを紹介します。各SNSを回っていろいろ調べてみました。
動画での解説がわかりやすい
YouTubeの動画の中でも、業界解説系の動画は全体的に好評のようです。時間は5分から10分くらいでイラスト付きで説明されています。「他の業界解説もやってほしい」というコメントが複数見られました。
個人的にもYouTubeは活用しやすそうだなと感じました。
就活への不安がなくなった
LINEに寄せられた感想に「就職活動に対する不安がなくなりました」という声がありました。
公式ページに載っている意見なので、自分たちに有利なコメントが掲載されていて当然ですが、公開できる口コミがあるというのは悪いことではないですよね。
自信が持てた
LINEに寄せられた感想に「面接やエントリーシートに自信がもてました」という意見もあったようです。
こちらも同じく公式ページの情報です。
就活の教科書の悪い評判・口コミ
就活の教科書に関する、ネガティブな評判・口コミを紹介します。
LINEが怪しい?
Googleで「就活の教科書」と調べていると、自動で「LINE 怪しい」といったキーワードが出てきました。そこで、僕も実際登録してみました。
登録後にはまず、上の画面のような適職診断が始まります。そして適職診断後は、詳細ページに案内される流れです。あと、登録から8日間は毎日通知が来ます。
特別嫌味な感じではない気がしますが、それが気になる人もいるかもしれません。ただ無料なのでそういう側面は仕方ないですね。通知OFFにして活用できそうなコンテンツだけ使うか、そもそも登録しないかになりそうです。
事実に反する内容がある
Twitterの投稿やYouTubeのコメントを見ていると、「事実に反する内容が発信されている」との意見があります。
コンテンツの評価基準には見栄えや文章などさまざまなものがありますが、事実関係は非常にウエイトが高いとされています。間違ったコンテンツは、役に立つどころか損失を与える可能性もあるためです。
誤りの度合や頻度が不明なので何とも言えませんが、事実関係の誤りがあるのは結構痛いポイントかなと思います。就活の教科書は学生主体なので、こういった隙を与えがちなのかもしれませんね。
僕は一応、メディア関係の仕事をしています。事実確認の実態は知っておくべきだと思うので、少し脱線!
事実関係を重視するWebサイトは少数?
事実関係はとても重要な項目ですが、あまり重視していないサイトもぼちぼち見かけます。事実関係を重視しすぎても、儲からないからです。
具体的には、95点の水準まで事実確認するサイトと、70点の水準まで事実確認するサイトでは、基本的には後者のほうが儲かりやすいです。
95点の水準と70点の水準では、事実確認にかかる時間に数倍の差が出ます。後者は、浮いた時間で別の記事を書いたり、既存記事のリライトをしたり、SNS運用したりできます。
あと事実関係を重視しようと思ったら、専門性があってまじめな人を雇う必要があり、これも大変です。
読者的には、メディアには事実確認を頑張ってほしいところですよね。
ただ、事業としてやっているメディアは収益化できてこそ運営できます。無尽蔵にリソースを割けないというのが現実です。
読者は自分自身で記事を選び、無料で読んでいます。なので、メディアが悪いとも言えません。
ミスをなくすことは難しい
事実関係をしっかりチェックする方針であっても、誤った記事が公開されてしまうこともあります。以下はその一例です。
当たり前ですが、新しい分野に関するテーマだと事実確認が難しくなります。
また、ヒューマンエラーで間違っちゃうこともあります。ライターが急に辞めちゃって、仕方なく徹夜で書いていたから誤りが含まれていた、なんてことも全然あると思います。
再発防止に努めてくれることを願いつつ、信頼できそうな複数のサイトを参照するなど、読者自身が情報の集め方を工夫するのが、手っ取り早いと思います。
2022年6月の騒動での批判
脱線してしまいましたが、ネガティブな口コミの紹介に戻ります。
就活の教科書の口コミを探していると、2022年6月に起こった騒動に関する意見が見つかりました。一部の記事内容が「倫理的にNGだ」とのことで、注目を集めたようです。
これもWebメディア業界全体に通じる問題だと思います。
いろいろと感じるところがありますが、結局は「読者自身が情報の集め方を工夫すべき」という結論になりそうです。
また脱線になりますが、少し補足的に書いてみたいと思います。
忘れたころに起こるヒューマンエラー
そもそも、騒動が起こらなければ何も問題無かったのですが、ヒューマンエラーがあるのでこういったことは起こる可能性があります。
例えば、PV数のノルマがあるメディアも少なくないと思います。ノルマ達成を意識するあまり、普段はOKしない記事を公開するということはあり得ます。
ちなみに、メディアは騒動をわざと起こしているわけではないです。あえて炎上させ、PVを集めるという手法も見られますが、メディアは中長期的に勝負するので炎上とは相性が良くなさそうです。瞬間風速的には稼げても、中長期的にはPVが大きく減る恐れがあります。
騒動をややこしくする他メディア
何らかの騒ぎになったら、記事制作側は謝罪してその後の活動を考える必要があります。また読者側は、しばらくは別サイトをソースとして優先するなど、自分で考えて対処することになります。
しかし、これをややこしくするのが他のメディアです。他のメディアはPVを集めるために、騒動について取り上げて報道します。「〇〇というメディア(人、団体)は、〇〇の立場の人を不当に攻撃している」と煽ったりします。
メディアが儲かるかどうかや、存続できるかどうかは、PVを集められるかにある程度かかっています。またPVが集まったということは、読者が気になるニュースを報道したことになります。そのため、外部で起こった騒動を報じることには合理性があります。
さらに、騒ぎを起こしたほうにも責任はあるので、ある程度何か言われても仕方ないとも思います。
こう考えてみると、何か騒ぎが起こってそれが拡散するのは、構造的に仕方がないと言えます。
読者の本来の目的は?
ただ、読者がもともとしたかったのは情報収集です。それが騒ぎがあったことや、他メディアが書いた記事が気になって、目的を見失ってしまいます。
そこで大切になるのが、自身で情報を見極める力だと思います。
どこを情報ソースとするかを自分で選ぶという意識や、あまり目的と関係のないガヤに判断を流されない冷静さが求められます。
就活の教科書の活用方法
すごく脱線しましたが、メディアは人間が作っている以上、完璧ではないです。たいていの場合は問題なく情報収集できても、ふとしたときに問題が起こったり、気づいてないだけで日常的に誤りが含まれていたりします。
ただ、多くのメディアは無料です。あれこれ注文をつけるのは少し難しいです。
そこで読者が上手く情報収集するには、各メディアの特徴を知り、つまみ食い的に良い部分を参照する、というのが良いのかなと思います。
就活の教科書の強みを考慮すると、以下のような使い方ができそうです。
参照先の1つとして活用する
就活の教科書はコンテンツが豊富なので、参照先の1つとして活用できます。見栄え的に好きという人は、特にそういった使い方が合うかもしれません。
ただし、3種類くらいのメディアを参照するというのは必須だと思います。
また、メディアで集めた情報よりも、インターンシップに参加するなどして実体験で感じたことのほうを優先するのが良いと思います。感じ方は人によって違いますし、メディア情報の多くは3次情報なので、1次情報である実体験には勝てません。
学生ライターの方へのインタビューとか、本音が聞けるコンテンツがあれば、それも参考になりそうです。
「通過したES一覧」を参考にする
就活の教科書のLINEから「通過したES一覧」というコンテンツを見れます。これが活用できそうです。
YouTubeで概要をつかむ
YouTubeのコンテンツを聞き流すという使い方もできそうです。
就活の初期はいろいろと新しいことをインプットして、イメージをつかむ必要があります。知らない用語や考え方が出てきたりして、意外と大変です。
聞き流しだったら目が疲れないですし、移動中とか散歩中にも情報収集ができるので、効率アップにつながると思います。
YouTubeのコメント欄を参考にする
YouTubeのコメント欄に、動画のテーマとなった職業の現職や経験者の人たちが書き込んでいたりします。その情報が正しいかどうかはわかりませんが、リアルな情報が手に入る可能性があります。
Webライターとして働く
番外編ですが、Webライターとして働くことを目指しても良いかなと思います。
時給が1,000円~1,500円と良いです。ライター初心者として始めたら絶対にもらえない金額です。(ライター初心者は、時給100円を切ることも、、)
あと、大学生のバイトって接客系が多いと思うのですが、そういうのが苦手な人もいるはずです。ライターの仕事はそういう人にも合う可能性があります。
会社で働くことを見越しての経験としても結構良いと思います。
まとめ
就活メディアの『就活の教科書』の特徴は、複数メディア(Webサイト、LINE、YouTube)にコンテンツを持っていること、学生が携わっていることです。
その特徴を知った上で、どんな使い方ができるかを考えるのが良い、というのが結論です!
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