要約:
- コインベーストランザクションとは、ビットコインの各ブロック内に最初に含められるトランザクションのことです。取引所のCoinbaseとは異なります。
- マイナーはブロック報酬のBTCを受け取るために、ブロック内にコインベーストランザクションを入れ込みます。
- コインベーストランザクションは、「コインベース」と呼ばれるデータを含んでおり、コインベースには任意のデータを含めることができます。ビットコインの最初のブロック(ジェネシスブロック)のコインベースには、やや意味深なメッセージが含まれており、ときおり注目されます。
コインベーストランザクションとは
コインベーストランザクションとは、ビットコインの各ブロック内に最初に含められるトランザクションのことです。

ビットコインではコインベーストランザクションを入れ込むことで、何もないところからBTCを生成し、受け取れる仕組みになっています。そのためマイナーは、自分自身でコインベーストランザクションをブロックに含めます。
ブロック生成に成功すると、マイナーは新規生成される仮想通貨と、ブロック内に含めたトランザクションにかかるガス代を受け取れます。この2つを合わせて「ブロック報酬」と呼びます。
新規生成される仮想通貨のみをブロック報酬と表現することもあります。
通常のトランザクションと異なる記録
コインベーストランザクションは、通常のトランザクションとは異なっています。
インプット(送金の元手)が異なる
まず通常のトランザクションでは、とあるアドレスから別のアドレスに送金されます。一方でコインベーストランザクションでは、送金元アドレスは毎回同じ単一の報酬用アドレスです。
またビットコインの通常のトランザクションでは、150円の商品を買うのに100円玉を2枚用意するように、複数の支払い可能残高(UTXO)を用意してインプット(送金の元手)とすることもあります。そのため、通常のトランザクションのインプットは、2つ以上になることもあります。しかし、コインベーストランザクションのインプットは、上の通り単一です。
アウトプット(送金先)が異なる
通常のビットコインのトランザクションでは、「UTXOモデル」の考えに基づき、おつり用アドレスに返金がされることがあります。例えば、0.9 BTCを払うために1 BTCを元手とした場合、0.1 BTCがおつりとして自分に返ってきます。


ガス代が引かれるので、実際にはアウトプットはインプットよりも少額ですが、上の絵ではガス代を考慮していません。
上記のように、支払いうために差し出す残高分(インプット)が支払い額よりも大きい場合、おつり分が返金されます。「900円の弁当を買うために1,000札を差し出すと、100円を返される」というやりとりに似ています。
実際にブロックチェーンエクスプローラーで比較してみましょう。

コインベーストランザクションでは、インプットが「Block Reward」となっていて、普通のトランザクションとは違いますね。
上の例では、コインベーストランザクションのアウトプットは1つのアドレスですが、マイナーは複数のアドレスに分散されるように設定することもできます。
すぐには報酬を受け取れない
コインベーストランザクションの報酬は、すぐには受け取れません。100個のブロックが追加されたら利用可能となります。
ビットコインの場合、1つのブロックを追加するのには10分ほどかかるため、16.7時間後には利用可能となります。
任意のデータを含められる
コインベーストランザクションは「コインベース」と呼ばれるデータを含んでいます。このコインベースには2~100バイトの容量の範囲で任意のデータを含められ、この点は通常のトランザクションと異なっています。
最初のブロック(ジェネシスブロック)のコインベースには、以下の文言が記載されていたことは度々話題になっています。
- The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks
- 訳:2009年1月3日『The time』、首相は銀行への2度目の救済措置の瀬戸際

出典:Wikipedia
ブロックチェーンエクスプローラーでも確認できます。

この文言はイギリスのニュース紙『Time』の記事タイトルです。

このメッセージを含めたサトシナカモトは何も言及しておらず、その真意は未だ謎に包まれたままです。
参照



コメント